漏斗胸について

  漏斗胸の治療方法・症例 漏斗胸とは

治療方法・症例 もくじ

漏斗胸とは  [漏斗胸の治療方法・症例]

漏斗胸は先天性の遺伝的疾患で1,000人に1人に発生すると言われています。漏斗胸は胸郭全体の変形であり脊椎、肋骨、肋軟骨、胸骨柄部、胸骨体部、剣状突起部の異常が認められます。すなわち、脊椎は平背および円背をしばしば認め、加齢により(特に10歳以上で)側弯症の率が高くなります。肋骨は後上方より前下方への斜走が著しく、胸郭は上下に長く前後に短いものとなります。肋骨、肋軟骨は肋骨肋軟骨接合部の内側(軽症例)あるいは外側(重症例)にて後方つまり脊椎に向かって弯曲します。

肋軟骨は後方に向かって凸を成し、胸肋関節において胸骨に連続します。最陥凹部は症例によってさまざまですが、剣状突起付近のことが多く、また剣状突起の遊離端は前方に突出することがしばしばあります。肋骨弓の突出を認める症例も多く、これが陥凹部をさらに強調しています。前胸部の陥凹範囲および陥凹の深さは多種多様であり、陥凹が前胸部上部にまで及んでいる症例では胸骨柄部は前上方から後下方に向かいます。このような胸郭全体の変形が胸郭内臓器である心臓及び肺を圧迫し、屡々心臓は左胸腔方向へと変位します。また肺は陥凹の程度により異なりますが、さまざまに圧迫されます。

漏斗胸は生まれつきの病気ですので、どの様な事が症状なのかさえ、患者さまには分かりません。生まれたばかりの赤ちゃんの時はポッチャリしていて分かりにくいのですが、1歳くらいになると気付く場合が殆どです。また場合によっては、成長するにつれて陥凹が著しくなる事もあります。

手術時の年齢は東京女子医科大学時代の私の経験では、3歳から5歳までが155例(23%)、6歳から10歳までが220例(33%)、11歳から15歳までが102例(16%)であり、3歳から15歳までの症例が72%を占めました。

一方、41歳以上の症例は8例(0.9%)に過ぎず、高齢者になるに従って減少しています。つまり高齢者の症例は漏斗胸について諦めているか、もしくは高齢になるにつれて漏斗胸患者は死亡していくものとも考えていましたが、当院におけるナス法症例は3歳から5歳までが12例(5.6%)、6歳から10歳までが14例(6.5%)、11歳から15歳までが22例(10.2%)であり、3歳から15歳までの症例が22.2%に止まりました。

その後16歳から20歳までが49例(22.7%)、21歳から25歳までが42例(19.4%)、26歳から30歳までが32例(14.8%)、31歳から35歳までが23例(10.6%)、36歳から40歳までが8例(3.7%)、41歳から45歳までが6例(2.8%)、46歳から50歳までが4例(1.9%)、51歳から55歳までが0例(0%)、56歳から60歳までが3例(1.4%)、61歳以上が1例(0.5%)であり、15歳以上の症例が77.8%に及んでいます。

手術時の年齢

手術時の年齢

最高61歳とインターネットの発展と共に高齢者でも諦めきれず、インターネットで当院を知って遠方より来院した方が多いのが特徴です。しかしながら30歳前後の高齢の漏斗胸手術はとても力が必要なので、私が子供の漏斗胸手術が好きなのは、今でも変わりません。

漏斗胸 6歳男児 術前写真

【6歳 男児 術前写真】

大人の方の漏斗胸治療手術をたくさん行っています。痛みの少ない漏斗胸治療のために努力しています。