漏斗胸について

  漏斗胸の治療方法・症例 漏斗胸の治療

治療方法・症例 もくじ

治療  [漏斗胸の治療方法・症例]

私(笠置 康)自身は手術:外科治療を行う症例しか扱っていません。軽度の症例(心臓及び肺に圧迫の無い症例)においては、手術をする必要は無いと思いますので、この場合は姿勢を正しくする様に指導しています。これを補助する方法としては、姿勢を正しくする為の姿勢矯正帯もあります。

手術

漏斗胸手術

漏斗胸は前胸部の陥凹により心臓及び肺の圧迫をきたす病気です。陥凹の程度がある程度以上であれば、外科治療した方が良いのです。

何故ならば、年齢が長ずるにつれて前胸部の陥凹を気にして内向的になったり、心臓・肺が圧迫されたりするからです。

胸骨翻転術

第1例は和田寿郎博士により1959年7月、11歳男児に施行されて以来、術後の呼吸管理も容易であり、矯正効果は良く、10年以上にわたる遠隔成績もきわめて満足すべきものであることから、世界的に普及をみるに至った方法であります。

肋骨挙上術

高度の非対称漏斗胸で、胸骨の変形あるいは位置異常の軽度のもの、及び一側性の傍胸骨性の深い変形が適応となります。

胸骨翻転術+肋骨挙上法+胸骨重畳法

胸骨自体が陥凹している非対称性漏斗胸に対しては、胸骨翻転術の際に翻転した漏斗胸胸壁を陥凹側にずらして固定することにより矯正されます。

しかしながら、陥凹側の胸郭前後径の増加は望めず、このような症例に肋骨重畳法を施行すれば外見上は修復される為、これらの三術式を同時に施行することにより殆どの問題を解決する事ができます。

胸郭再建術

松山に帰ってきてから、胸骨飜転術を行っている時にひっくり返してもそんなに変わらない事に気が付きました。この方法が胸骨飜転術と異なるのは、胸骨重畳法を行い、胸骨飜転術を翻転しないで行う方法です。

この方法により左右の肋骨の切除長が違う事が無く、スムースな胸骨飜転術の様な手術ができるようになりました。成人漏斗胸症例に対しての外科治療として多くの症例を治療してきました。

胸肋挙上術

比較的肋軟骨の軟らかい症例に適応があり、胸骨を付着肋軟骨から遊離し、挙上矯正位をとらせた上で過剰部分を切除する事で前胸壁の陥凹を改善する事ができます。

胸骨挙上術

この方法は以前より、Sjovall, Granier, Lester, Dailey, Adams, Ravitch, Bradt, Holmes, Grob, Daniel, Paltia, Sanger, Haller, Taylor, Robicsek, Rehbein, Fonkalsrud,Nuss らによって行われてきた方法であり、挙上された胸骨の位置を保持する数多くの変法が考えられ、しばしば用いられてきた術式であります。

しかしながら、再発の頻度が高いことから私は本術式を一度も用いた事はありません。ナス法はRavitch法の術後形態を保持するbarより考え出された術式です。

ナス法

ナス法は、米国ヴァージニア州ノーフォーク市のキングス病院小児外科医Dr.Nussにより開発され、1999年より我が国でも開始されました。当院では2000年よりNuss法を用いて、漏斗胸外科治療を行っています。

金属製のプレートを胸の陥凹部の側面より入れて陥凹部を挙上する術式です。手術は2~3cm前後の小さな手術創が両側胸部に残るぐらいで施行する事ができますので、手術自体のストレスは従来の方法に比較すると非常に少ないのです。但しこの方法は2回の手術を要します(金属プレートを外す手術をする為)。

大人の方の漏斗胸治療手術をたくさん行っています。痛みの少ない漏斗胸治療のために努力しています。